労使トラブル

◆労使トラブル


 事業者にとっては、「問題のある従業員に辞めてもらいたい」「従業員が急に来なくなって困っている」「賃金・残業代の支払いを求めて訴えられた」「不当解雇といわれ訴えられた」というのが 事業を進める上で最も多い悩みです。

 この問題の解決のためには、法務戦略と人材マネジメントの両方からアプローチをしなければなりません。さらに、従業員が減った後の事業のリカバリー対応も考えなければなりません。当事務所では、これらの問題を総合的に解決するためのご提案をいたします。

1.問題のある従業員に辞めてもらいたい場合

①解雇にする方法
 この方法は非常にシンプルなのですが、通常解雇であれ、懲戒解雇であれ、しっかりと準備をしておかなければ不当解雇として重大な訴訟リスクになります。不当解雇にならないためには、労働契約書・労働条件・就業規則等に解雇事由を記載し、 問題行動をしっかりと記録し、本人にも業務報告書や顛末書等の書面を提出させておく必要があります。これらは「やめて欲しい」と思ってからすぐに用意できるものではないことに注意が必要です。

②合意退職(退職勧奨)
 問題のある従業員に対して、任意による退職を促す方法もあります。もちろん任意ですので、本人の合意が必要ですが、交渉次第で合意を得られる場合は少なくありません。問題行動の具体的内容と、辞めさせる・辞めさせないの損益分岐点をきちんと見定めることが交渉の重要なポイントといえます。

2.従業員が急に来なくなって困っている場合

 従業員が急に来なくなった場合、電話をかけて来るように促したりする他なく、対応に苦慮させている方は多いと思います。しかし、このような場合でも即日解雇を行うことはできません。無断欠勤を理由に解雇をするには、相当期間無断欠勤をしていることが必要になります。相手によっては、解雇ではなく雇用契約解除等を促す手紙等を送付して、合意解除にもっていく方法も有効でしょう。
 また、無断欠勤されたことによる損害賠償の請求がしたいとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、無断欠勤と損害との因果関係はなかなか認められないのが実情です。
 結局、無断欠勤された場合の対処としては、後に不当解雇にならないよう気をつけながら会社を辞めてもらう(辞めさせる)しか方法はありません。そこで、「急に来なくなる」という事態そのものを回避する必要があります。当事務所では、専門のカウンセラーによる従業員向けのカウンセリング、経営者向けの従業員への対応アドバイス等も 行っております。

3.賃金・残業代の支払いを求めてきた場合

 賃金・残業代の支払を求めてきた場合、まずはそもそも当該請求に根拠があるかどうかを検討する必要があります。もしも請求に根拠があるような場合に対応を誤ると、訴訟となった場合、それまでの利息だけでなく、裁判所から付加金を支払うよう命じられることもあります。そこで、従業員から上記の請求が会った場合には、証拠関係を精査し、どの範囲まで認めるべきか、どこからは不当なものとして拒否すべきかを検討しなければなりません。

4.不当解雇といわれ訴訟提起された場合

 この場合も、相手方の主張に根拠があるのかどうかを判断することが必要になります。そして、解雇の正当性・合理性を主張していかなければなりません。解雇の正当性・合理性も、基本的には客観的な資料(出勤記録や業務報告書、顛末書等)から判断されますので、普段からきちんと資料・証拠を作成・収集しておくことが求められます。

5.従業員が退職した後のリカバリー対応

 従業員が退職した場合、新しい従業員を雇うのか、それとも人数が少ない状態で仕事を回していくのかを選択しなければなりません。いずれが良いのかは個々のケースによりますが、新しく従業員を探すのであれば、雇用に関して助成金を受け取ることができる可能性があります。
 また、従業員を減らすのであれば、提供商品を減らし、主力部門を集中化するなど、 経営方策の変更が必要になります。 当事務所では、従業員の退職時のトラブルの予防・解決のみならず、経営方策の変更についても、弁護士・税理士・中小企業診断士・社労士・コンサルタントが チームを組んで、総合的なバックアップを行います。



【IK法律事務所】
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