成年後見制度について

 任意後見契約とは、将来、判断能力が低下した時に備えて、自分の信頼できる人に後見人になってもらうように契約をする制度を言います。通常の成年後見制度は、後見人は家庭裁判所が選任しますが、任意後見契約は自分の意思が尊重されます。
 
 任意後見契約を締結するためには、公正証書で、任意後見人になるべき人と、任意後見人の権限の範囲を定める必要があります。そして、本人の判断能力が低下した時に、家庭裁判所に申し立てをして、任意後見監督人の選任をしてもらうことになります。
 
 ただし、任意後見契約は本人が生きている間しか効力を生じません。
 ですから、亡くなられた後に葬儀をするなどの死後の事務を頼むことができない等の問題があります。そこで、死後の葬儀等の事務まで頼みたい場合は、「死後事務委任契約」といった契約を別途締結する必要があります。
 もしも親族が誰一人いない場合、特に介護施設や高齢者事業所におひとりで入所している場合には、介護施設・高齢者事業所でも亡くなった後の対応ができなくなってしまう可能性があります。
 そのため、信頼できる専門家に死後事務委任契約をし、亡くなった後の対応がスムーズにいくようにしておくと死後のご自身の葬儀等についても不安が亡くなると思います。




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